身近なようで意外と知らない油のはなし。

私たちの日常生活に欠かせない油。

サラダ油、菜種油、ごま油、オリーブオイルなどが一般的によく知られている油ですが、それぞれにどんな特徴や違い、栄養学的なメリットがあり、どのような調理法や摂取方法が適しているのかきちんと知る機会は少ないかと思います。

海外生活が始まると、油ひとつとっても種類がたくさん。
「日本にいた頃はとりあえずサラダ油を使っていたけれど、炒め物や揚げ物にどの油を使ったらいいの?」と迷う方も多いのではないでしょうか。

そこでこの食卓コラムは【身近なようで意外と知らない油のはなし】と題して、「油」をテーマにしたシリーズをお伝えしていきたいと思います。個々の油の特徴をしっかりおさえて賢く選択できるようになることで、調理の幅がぐんと広がり、料理がより楽しくなるはずです。

1. サラダ油は何からできてる?食用植物油を徹底解剖!

油には大きく分けて「植物性」と「動物性」が存在します。
文字通り「植物性」は植物由来の油で、「動物性」は動物の脂由来の油になります。

今回は12種類の植物性の油に注目し、原料となる植物や味わいの特徴、食用の場合の使用用途に的をしぼりまとめました。(ドイツ語での油の名称も記載しております)
どの油も一度は聞いたことのあるものだと思いますが、意外と知らない情報も多いかもしれません。

今回の内容は最後に表にしてまとめているので、そちらも合わせてご参照くださいね!

1. サラダ油

日本ではもっともポピュラーな、低温でも固まらない(結晶化しない)、濁らないように精製された日本独自の油

菜種、大豆、トウモロコシ、ひまわり、ごま、紅花、こめなどの種子を原料として作られているものを指します。なかでも2種類以上の原料を混ぜて作られたものは「調合サラダ油」と呼ばれています。

製造中で固まった結晶を取り除き、低温でも固まらない部分のみで作られたものを「サラダ油」として出荷しているため、冷蔵庫などの低温環境でも液体で維持される特性をもちます。

2. 菜種油 (ドイツ語:Rapsöl)

セイヨウアブラナを原料として作られる油。

過剰摂取により身体に害があると言われる不飽和脂肪酸「エルカ酸」を含んでいることから、昔はアメリカでは食用の使用が禁止されていました。

のちに品種改良によってエルカ酸とグルコシノレート(菜種油中には混入しないが甲状腺障害のリスクがある物質)を含まない品種(キャノーラ種)が生まれ、このキャノーラ種から作られた菜種油がキャノーラ油と呼ばれています。つまりキャノーラ油は菜種油の一種ではありますが、同じものではありません。
ドイツの菜種油も品種改良がおこなわれており、現在はエルカ酸を含まない菜種油が流通しています。

菜種油は中国、ドイツ、カナダなどで多く生産されています。

3. ごま油 (Sesamöl)

白ごまを焙煎してから加工した油。

胡麻をどのくらいの時間焙煎するのか、ごまの使用量などによって「純正ごま油」と「調合ごま油」に分類され、焙煎の時間が長いほどごま油の色は濃くなり、ごま油特有の香りも強くなります。

焙煎せずに作られるごま油は「太白油」と呼ばれています。

ごま油は日本以外にも中国や韓国でも生産されています。

4. 大豆油 (Sojaöl)

大豆の種子を原料として作られる油。最も代表的な植物油の一つ。

粉砕した大豆に溶剤を加えて抽出されます。抽出の際の溶剤としてヘキサンが使われていますが、過熱の過程で容易に除去できるため食用としての安全性は保障されています。

サラダ油の原料、マヨネーズやドレッシング、マーガリンの原料、天ぷら油として広く使われているのがこの大豆油です。

5. オリーブオイル (ドイツ語:Olivenöl)

生のオリーブを原料として作られる油。

生の果肉から果汁を絞り、遠心分離することで油を分離することができます。このように “非加熱”で油が得られることがオリーブオイルの最大の特徴です。

機械的な処理のみで分離して得たものを「ヴァージンオリーブオイル」と呼び、その中でも検査で欠陥がなく酸度が0.8%以下のものを「エクストラ・ヴァージンオリーブオイル」と呼びます。

スペイン、イタリア、ギリシャなどで多く生産されています。

6. ココナッツオイル (ドイツ語:Kokosöl)

ココヤシの果実(ココナッツ)の種子内部にある胚乳を原料として作られる油。

ココナッツの独特の香りを有していますが、この香りを抑えた無香のココナッツオイルも販売されています。
胚乳を乾燥させたものから原油を抽出し、精製して作られます。

ココアバターの代用や、ホイップクリーム、コーヒーフレッシュ、ラクトアイスの原料などにも使われています。

7. こめ油 (ドイツ語:Reisöl)

玄米を精米した際にできる米ぬかを原料として作られる油。

日本では北海道から沖縄までこめ油製造工場が存在し、原料のほとんどを国産でまかなえている唯一の植物油です。

こめ油は菜種油や大豆油に比べて精製に手間がかかるため価格が高くなりやすいのがデメリットですが、加熱による酸化が起こりにくいのでスナック菓子などによく使われます。

8. ヒマワリ油 (ドイツ語:Sonnenblumenöl)

ヒマワリの種子を原料として作られる油。別名サンフラワー油

食用ではマヨネーズやドレッシング、マーガリンなどの原料として、また穀類やナッツ、煎餅などのコーティングに使用されています。

主にロシア、アルゼンチンなどで生産されています。

9. 紅花油 (ドイツ語:Safloröl)

紅花の種子を原料として作られる油。別名サフラワー油

リノール酸が多いタイプと、オレイン酸が多いタイプの2種類があります。
やや黄色がかっており、癖のないさっぱりとした風味が特徴です。

10. パーム油 (ドイツ語:Palmöl)

アブラヤシの果肉を原料として作られる油。

常温では固体でややオレンジ色です。

マーガリン、チョコレート、アイスクリームなどに加えると口当たりがなめらかになり、インスタント麺やスナック菓子などの揚げ油に使用するとサクッとなることから、加工食品に広く使われています。

パーム油の原料であるアブラヤシはマレーシアとインドネシアで主に生産されています。これらの国ではアブラヤシの生産について劣悪な労働環境や熱帯雨林の破壊が存在していることが現実です。

11. エゴマ油 (ドイツ語:Perillaöl)

エゴマの種子(しそ科の植物)を原料として作られる油。

加熱搾油と非加熱搾油が存在します。

昔は明かりを灯す油や塗装用の油として使われてきましたが、最近では食用油として注目が集まっています。酸化しやすい油です。

12. アマニオイル (ドイツ語:Leinöl)

アマの種子を原料として作られる油。

亜麻仁の独特な香りが特徴です。非常に酸化しやすく熱に弱いため加熱には不向きな油です。

最後に

一般のご家庭でお馴染みの油は、実際には加工食品の生産の際にもよく使われています。

それぞれの油の基本的な特徴を把握することで、栄養的な知識も入りやすくなっていきますよ。

内容を表にまとめているので、箇条書きで覚えたい方はぜひご活用ください。
スマートフォンからの場合は長押しで、パソコンからの場合は右クリックで表を画像としてダウンロードすることができ、お使いいただけます^^